台風🌪+秋雨前線☔️に注意!

今年の7月は台風の発生数がゼロとなりました。1951年からの統計史上初の記録となるそうです。台風が来ないことは一見すると良いことに思えますが、実はそうでもありません。月別の台風発生数を見ると、7月は平均で3.6個の台風が発生しています。

2020/08/02のYAHOO! JAPAN ニュースで「史上初7月の台風ゼロで意外な懸念 沖縄のサンゴ大規模白化か」の記事が出ていました。これは台風が来なければ海水温が下がらず、本島周辺でも広範囲でサンゴが白化することを懸念した記事となります。台風は災害や農作物に影響を与える一方、海水をかき混ぜ、夏場に上昇する水温を下げる効果があります。

史上初7月の台風ゼロで意外な懸念 沖縄のサンゴ大規模白化か(2020/08/02)

観測史上初めて7月に台風が一つも発生せず、サンゴの大規模白化の懸念が広がっている。専門家は「このまま台風が来なければ海水温が下がらず、本島周辺でも広範囲で白化しそうだ」と指摘する。気象庁は1日、沖縄の南にある熱帯低気圧が台風4号になったと発表。今後、先島諸島へ近づくとして、専門家らは動向を注視している。

・・・ 後略 ・・・

出典元:YAHOO! JAPAN ニュース

7月に台風が来なかったことにより、日本近海の海水がかき混ぜられなったので、夏場に水温が上昇するおそれがあります。次の図が8月末の日本近海の海面水温予想図なのですが、30℃くらいあります。

海面水温予想図 (8月31日)

出典:気象庁ホームページ

これは今後、日本に上陸する台風が発生した場合、勢力を落とさずに日本に近づく可能性が高くなります。さらに、普通は赤道近くで発生する台風が日本のすぐ側で発生するケースも出てきます。

また、今年は梅雨前線の停滞により、線状降水帯が発生し、熊本県をはじめとする九州地方と広島県、島根県、岐阜県、長野県、さらに山形県、秋田県と非常に大きな水害をもたらしました(令和2年7月豪雨)。この度の大雨による被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い再建をお祈り致します。

2020年7月4日の天気図

出典元:気象庁ホームページ

東洋経済オンラインでも説明されていますが、近年豪雨が増えている理由の一つは海面水温が高くなっていることだと考えられています。また、海水温の上昇は日本近海で顕著にあらわれています。

令和2年7月豪雨に見た災害級の雨が多発する訳(2020/07/20)

「平成最悪の水害」といわれた「平成30年7月豪雨(通称:西日本豪雨)」から2年。「令和2年7月豪雨」の全国アメダス地点における降水量の総和は、それを上回りました。

・・・ 中略 ・・・

海面水温が高いと水蒸気量が多くなり、前線の活動が活発になったり、台風が発達しやすくなったりします。水蒸気は雨のもとになるので、水蒸気量が多いほど降水量が多くなりやすいです。

したがって、近年豪雨が増えている理由の1つは、海面水温が高くなっていることだと考えられます。

出典元:東洋経済オンライン

海面水温が高い状態で活発化する台風。また、たくさん雨を降らす線状降水帯が発生する秋雨前線。これらが同時に作用したのが、2019年8月に発生した、「令和元年8月の前線に伴う大雨」になります。以下の天気図に示す通り、九州地方に秋雨前線が停滞して、台風11号から湿った暖かい風が南方よりエンジンとなって吹きつけ、結果、九州地方に被害をもたらす大雨となりました。(天気図には出ていませんが、実際は台風12号も)この様に秋雨前線と台風が連携すると、とても危ない相手になります。防災グッズ、避難場所などをもう一度、見直して不測の事態への備えが必要です。

2019年08月24日の天気図

出典元:気象庁ホームページ