脱石炭 is NOT 原発推進🙅‍♂️

2020/07/02付、NHKにて、次のような記事が掲載されました。

政府は、石炭火力発電の在り方を大きく見直す方針を固めました。二酸化炭素の排出が多い、古い石炭火力発電所による発電量を2030年度までに9割程度、削減する方向で調整に入りました。

・・・ 中略 ・・・

また、石炭火力への依存を大きく減らすことによって、今後は再生可能エネルギーや原子力も含めた長期的なエネルギー政策の見直しも課題となります。

出典元:NHK

これを読むと、気候危機の原因となるCO2を作る石炭火力発電を削減するので、とても良いことです。しかし、よく見ると手放しに喜べないことがあります。

結論を先に述べますと、問題点は2つあります。

  1.  100基の古い石炭火力発電を廃止するが、実体的には高効率の26基の石炭火力発電を維持し、現在建設中の新規石炭火力16基も認めるということなので、2030年以降も3000万キロワット以上の運転を容認することになる。パリ協定の目標である気温上昇を1.5度に抑えるためには先進国は遅くとも2030年までに石炭火力をゼロにしなければならないのだが、それには全然、不十分であること。
  2. 「石炭火力への依存を大きく減らすことによって、足りなくなった電力を、今後は原子力も含めた長期的なエネルギー政策の見直しする」と言うように、原発の再稼働を考えていること。

まずは1. ですが、政府は9割削減すると言いながら、結局、石炭火力を2030年までは継続的に使うと言っているにも等しいです。これは世界的に見て、モラルに反したおかしい行動になります。

さらに、2. ですが、これは言わずもがな、核の平和利用は幻想であり、そもそも安全にすぐに止めることが出来ないシステムを使うべきではないし、核のゴミがすでに約47トン(およそ原爆6,000発分)もあるのに、これ以上、未来に負債を残すべきではないので、原発を再稼働させるのは、ありえない選択肢です。(今だ日本は2011年発令された、「原子力緊急事態宣言」下であり、解除されていない。以下は2015年、福島県双葉町で行われた原発PR看板の撤去作業の風景。)

まずは電力の使いすぎ、使い方の問題と電力網が古いという前提があり、そこを改善する必要がありますが、日本には世界一を誇る再生可能エネルギーの技術(太陽光、風力、水力、潮力、地熱など)をたくさん持っています。それらを駆使すれば、石炭、石油、原発に頼らずとも、エネルギー問題は解決できるし、気候危機への対応も可能だと思っています。